パワポ作成で使えそうな配色の基礎の基礎をまとめてみました。
参考文献:配色デザイン良質見本帳 イメージで探せて、すぐに使えるアイデア集
本記事は文献を参考に(特に画像は)独自に用意しており、本に書かれている内容をそのまま書いているわけではありません。ちゃんと知りたい人は本書をご購入ください〜。
Contents
色が持つ効果|機能と心理、2つの働き
色には「イメージを伝達する効果」と「情報を見やすくする効果」の2つがある。
イメージを伝達する効果
具体的なイメージ
- 赤:りんご、炎、血
- 黄:とうもろこし、レモン、カレー
- 緑:葉、木、緑地
色を通して具体的な「モノ」を連想できる。
抽象的なイメージ
- 青:快い、静か
- 橙:元気、若い
- 薄いピンク:優しい、柔らかい
象徴的なイメージ
- トイレ:青や黒は男性、赤やピンクは女性
- 信号機:赤は止まれ、青は進め
心理効果
- 赤:熱を感じる、興奮を促す、誇張して見せる
- 青:冷たく感じる、気持ちを落ち着かせる
情報を見やすくする効果
統一
同系色でデザインすると統一感がでる。
区別
色で情報を分けることで直感的に区別できる。
アピール
色に明確な差をつけることで違いを表す。
認識
背景と情報などに色で差をつけて見やすくしたり、逆に目立ちを抑えて見せることができる。
色を形作る三属性
色相でまとめる
色相:「色合い」また「色味」の違い。
近しい色で統一感を出したり、色相環で正反対の位置にある色(補色)を使って強調したりできる。
明暗でメリハリをつける
隣り合う色の明度差が低いとぼんやりして、明度差が大きいとメリハリがついて見える。
トーンでまとめる
トーン:明度と彩度をまとめた概念。
淡いトーンで複数の色をまとめたり、鮮やかなトーンで複数の色を派手に見せることができる。
色のイメージを作る、伝える「トーン」とは

日本色研事業より
トーンは「明度と彩度を複合して捉えた概念」で、PCCSトーンの概念では無彩色を5分類、有彩色を12分類し、さらに有彩色を「純色」「明清色」「中間色」「暗清色」の4つに分けられる。
心理効果で変わる色の見え方
派手・地味を作る
- 高彩度:派手に見える赤、橙、黄
- 低彩度:地味に見える緑、青緑、青、青紫
寒・暖を作る
- 寒色:水や氷をイメージさせる青、青緑
- 暖色:炎や熱、光をイメージさせる赤、橙、黄
- 中性色:寒暖を感じさせない黄緑、緑、紫
軽・重を作る
色の軽重感は、主に明度差によって引き起こされる。軽く感じられる色を上に、重く感じられる色を下にすることで安定感が増して見える。
- 軽い:明度の高い色
- 重い:明度の低い色
柔・硬を作る
色の柔硬感は、明度と彩度の複合的な関係性から感じられる。
- 柔らかい:高明度、低彩度
- 硬い:低明度、低彩度
興奮・冷静を作る
- 興奮色:暖色系の色相で彩度の高い色
- 沈静色:寒色系の色相で彩度が低めの色
甘い・酸っぱい・辛い・苦いを作る
- 甘い:淡いパステルカラー
- 酸っぱい:黄
- 辛い:赤
- 苦い:渋い色味
記憶と結びつける
- トイレ:青か黒は男、赤かピンクは女
- クリスマス:赤と緑の組み合わせ
- ハロウィン:紫と黄
配色によって起きる視覚効果・錯覚
色の進出・後退 / 膨張・縮小
- 進出色(誇張色):暖色、明度と彩度が高いほど大きい
- 後退色:寒色、明度が低くなるほど小さい
色の面積効果
同じ色でも面積の大きさによって明度や彩度に変化が感じられる現象。
明るい色は面積が大きくなるにつれて明度と彩度がわずかに増すように感じ、暗い色は面積が大きくなるにつれて明度が下がって感じる。
色の対比
色の対比:他の色に影響を受けて、単色のときと異なった見え方をする現象
色相対比
同じ橙でも左は赤みを帯びて見え、右は黄みを帯びて見える。
明度対比
同一色にもかかわらず、高明度色と隣接する色はより暗く、低明度色と隣接する色はより明るい見え方になる。
彩度対比
同一の彩度にもかかわらず、高彩度と隣接すると彩度が低く見え、低迷度と隣接すると彩度が高く見える。
補色対比
補色の関係にある色同士を配したときに、互いの心理補色の残像が重なり合い、彩度が増して鮮やかに見える。